ユングのタイプ(類型)1 内向と外向

ここではユングのタイプ論について述べる。タイプとはすなわち、クレッチマーが外見でその人間の特性を分けたようなものである。

このタイプは在日だからとか黒人だからとかという単純なレッテル貼りではない。また、乙女座やAB型の今日の運勢とは全く異なることを先に明記しておく。

タイプを分けることは、ある個人の人格に接近するための方向付けを与える座標軸の設定であり、個人を分類するための分類箱を設定するものではないことを強調したい。 ユング心理学入門 河合隼雄

ユングのタイプは大雑把に言うと8種類に分けられる。

まず一般的態度として内向外向の2つにわけられ、さらに、心理機能として、思考感情感覚直観の4つにわけられる。内向的思考型、外交的直観型のように、内向、外向に対して4つずつ心理機能で分けられるので、全体のタイプは8種類になる。

1.内向と外向

内向と外向は、多くの人のイメージ通り、陰気か陽気、社交的かそうでないかである。

外向的な人はコミュニケーション能力に秀でており、社会に溶け込みやすい特性を持つが、その根拠は適当な考えと行動によるものなので、考えが皮相的になるものが多く、ほかの人のつながりがあるから、自信をもつが、外的障害に対してもろさを持つことがある。

一方、内向的な人は過度に自己批判的で、自信なさそうにみえる。実際に自信のない人が多い。友人を作りにくく、社会適応が困難である。いったん思い込むと少々の障害にはたじろがない傾向があるが、パーソナルスペース(自分の領域)以外では、とかく周りの人とうまくゆかず、内的充足のみに心がけ、外部に伝えることに無関心である人もいる。

この2つの一般的態度は、多くの人間は両方の態度を共に持ち合わせているが、大体は一方の態度が習慣的に表れるため、類別することは容易である。外部環境によって、内向の人が外向に矯正されると、神経症的な症状に悩む事例がある。

一般に外向的な人が社交的で適応がよい(ノリがよい)等の高評価を得る一方で、内向的な人は、社会不適応者だとか病的、自閉的だとか、自己中心的のレッテルを貼られることが多い。

ユングの心理学では相補性が重要なキーワードである。こころは片一方の尖った性質を補うかのように、反対方向の影をもつということである。

外向型のおばちゃん、またはお母さんの急なヒステリー症状は、外向的な一面性の反作用として、肉体的な障害という手段を用いて、外へ向きすぎた心的エネルギーを無理にうちに向けようとするから、内向的な性質を帯びた妄想や他を考慮しない自己中心的な態度をとるようになるとユングは考えている。

内向型の人は、外界の関係を断ち切り、外の人間の価値を低く見積もろうとすればするほど、無意識的に外の社会の虜になってしまう。その内的な相克の戦闘で疲弊し、消耗して、鬱などの神経症にかかってしまう。この病気の特徴は、一面では異常な神経過敏と、他方の非常な疲れやすさによる肉体的な動きの鈍さとして現れる。

次は、4つの心理機能について述べるが、私がユング心理学を全面的に信用しているわけではないことをここで明示しておく。

疑わしいのは無意識の行動と夢分析である。無意識はあると思うが、ある人が財布を忘れたことと、鍵をかけ忘れたことは無意識の表れであるとか、言い間違って本心(無意識)が出た。という事象については、結果論で何とでもいえる。夢分析も同様である。治療者や分析者の後付けの説明でなるほどと納得することはあっても、財布やカギのかけ忘れや失言の損失には変わりない。