心理テクニック 3 Low ball

一万円分の商品が入った福袋が千円だったり、閉店セールをして明日にはシャッターを開けて普通に商売をしている事例をよくみかけることができる。

福袋の中の商品は、大抵売れ残りであり、たまにいいものを混ぜることでお得感を演出し、閉店セールは限定感(hard to get)を演出して、客に買わせる。さらにそのセール品は2,3回洗濯しただけでボロボロになる本当の安物である。

(嘘は嘘の中に少しの真実を混ぜると信憑性が増す。by富樫氏か誰かの何かの漫画)

セールの安いものや福袋を買うと、獲物をしとめたかのような満足感が得られるが、実際は安物買いの銭失いになることが多い。Levi’sのジーンズを買いに行ったのにLeeのジーンズしかなかったら、その人は帰るだろうが、Levi’sのジーンズが“入っているかもしれない福袋”にLeeのジーンズが入っていたら、その人は奇妙なことに納得するのである。「セール」→「たやすく、獲物をしとめられる。(と購買者は思っている)」→「買った。得をした。自分の賢さが証明された」という単純な思考回路をたどる。

相手が受け取りやすい球を投げて、本当に投げたかった変化球をなげる。これが、Low ballと呼ばれるテクニックである。前回、宗教の勧誘の男性の奇妙なバラの例を挙げたが、あれがバラではなくて、革のアクセサリーや、万年筆、本の栞(それこそバラの栞)であったらもらったかもしれない。

人はいったんよじ登った木から降りるのにためらいを感じる。それは自分がすでに行ってしまったことの間違いや恥ずかしさ、くやしさ、一からやり直すのが面倒などということからきている。このまま行っても不利な条件になることがわかっていても、なかなか後戻りができない。

これは、株やギャンブル依存症の心理によくみられる。

ある詐欺に近い例をあげると、店頭でとても良い車が安い値段で展示されているのを見て男性が店に入ると、新人らしき女性が応対して、男性がサインをすると、インクが渇かないうちに書類を奥に持っていく。そして、女性は男性に告げる。「すみません。私の手違いで、あれはオプションがついていない金額なんです。オプションがつくと、〇〇〇万円になります。」と相場通りの値段を告げる。仕方なく、男性は購入し、相場通りだしまあいいや。女性もかわいいから許そうとなるのだが、実際この女性はミスなどしていなく、すべて店側の戦略的な演技である。
こういう例は、風俗店やキャバクラによく見られ、”3000円から”だとか、”1万円ポッキリ”とかそういうのは全てローボールで、実際はもっとぼられる。
同様の例として、修理代無料、送料無料、おまけつき、(2年間契約で途中で解約すると多額の違約金が発生するが)、他社より安い!。1万円キャッシュバック!(ただし、現金ではなく、使用目的が限られるポイント)などがあげられる。

人は一回決定した約束に対して責任を感じてしまうため、受けやすい低い球をキャッチした段階で、次の予期せぬ変化球にも責任を取ろうとしてしまうのである。

しかも、前回の記述の(あっ!)だとか、新人の女性のミスだとか、相手も想定外であるとこちらが判断してしまうと、この罠にはまるケースが多い。

Low ballのテクニックは、無意識のうちに、使っているケースが多い。恋愛において、自分の知られたくない秘密を黙ってつきあって、あとからばれるパターンは多い。「”ちょっとだけ、30分くらい”残業いいかな?」という上司の命令が、1時間、2時間になることも多い。(この場合、上司の問題もあるが)前回、前々回のテクニックと違って、汚いテクニックであるがゆえに効果も高い。他の2つと違って、冷静でなくては対応できない。

僕の家にかわいい猫がいるんだと言っておいて、女性が遊びに来る日には”なぜか”予防接種でいなかったり、ゲームソフトやゲーム機を借りたまま、卒業の日や引っ越しの日を迎え、音信不通になったりする。

以上3つが、詐欺まがいの心理テクニックである。相手の行動を鏡写しで真似をするミラーリングや、占い師があなたのおとうさんはしんでいない(死んでもういない、と死んでいないのダブルミーニング)ですね。といって当たっていると驚かすコールドリーディング。如何様にもとれるスピリチュアルカウンセリング、このようなダーティな手法を連続していると、良心の呵責に耐えかねて、かずこちゃん(仮名)みたいにヘアヌード写真集を出して消えてしまいます。