サトウタカヒロ

ここはどこだろう。

真っ暗で何も見えない。

右足を引きずるとぬちゃり…という音がする。

僕はライトを持っていることに気づいた。

足元を照らすと、人が倒れている。

青白い女の顔。

腹から血が出ている。

僕がやったんだろうか…

なにも思い出せないが、この女性を助けなければ…と思った。

ライトを照らしているうちに、自分が迷彩服を着ていることに気づいた。

何かと戦っていた気がする。僕は逃げたのだろうか。敵前逃亡は銃殺…という声が聞こえた気がした。

女性を担ぎ上げる。軽い…。モーターの駆動音が聞こえる。自分から出ている。

機械の体……イヤ…これは服だ。強化外骨格というやつだ。

ロングバレルのレーザー銃が落ちている。これも自分のだろう。持っていこう。

女性を担ぎ上げ壁伝いに一歩一歩歩く。明かりが見えてきた。そしてそれはゆっくりと現れた。巨大な猿の顔のようなものがこちらを覗いている。トンネルの出口を塞ぐほどあるその顔は下卑た笑みを浮かべている。敵性勢力エイリアン。僕は思い出した。

ロボットに乗っていたこと。猿型エイリアンにロボットが殴られたこと。

緊急脱出したこと。エイリアンを操っているという女性を捕らえたこと……。

応答……しろ……

ノイズの入った音が聞こえる。

僕は自分の名前を思い出した。

こちらサトウ

サトウタカヒロ

 

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